【髪にまつわる豆知識】ヘアアイロンでのセット
- 2022.06.09
- 髪の豆知識

当社在籍の毛髪診断士による【髪にまつわる豆知識】
第6回目は 『ヘアアイロンでのセット』です。
ヘアアイロンでのセット
皆さんはヘアアイロンを使用していますか?
このブログに訪れる方の多くは、カールやストレートのヘアアイロンを使ったことがあるのではないでしょうか?
以前はヘアアイロンを使うのは女性ばかりでしたが、近年は男性もかなり増えてきました。
ヘアアイロンでセットした髪はぬらせばリセットできるので、その日の気分に合わせてヘアアイロンでイメージチェンジするのもおすすめです。
私自身も、少しくせ毛の男性ですが、休日にたまに使って手軽なイメージチェンジを楽しんでいます。
ヘアアイロンと水素結合
なぜヘアアイロンを使うことで髪をストレートにしたりカールさせたりできるのでしょうか?
ヘアアイロンでのセットでは水素結合の特性を利用しています。
<復習>水素結合とは?
主鎖の中に含まれる酸素(O)と水素(H)が引っ張り合う結合。
側鎖結合の中でも水素結合が最も多いが弱い。
水にぬれるだけでも結合が切れ、乾くと再結合する。
(※詳しくは前回の記事『梅雨時期はなぜ髪がまとまらない?』をご覧ください)
ヘアアイロンによる熱で水素結合を切り離し、プレートを滑らせ、ストレートやカールをつくります。
その状態で再度水素結合することで、ストレートやカールをキープさせることができます。
プレートと髪が物理的に接触すること、そして髪に高温を与えることができることで、よりクセ付けがしやすくなります。
キューティクルを閉じる効果も期待できるので、髪の根元から毛先へ向かってプレートを滑らせるようにしてください。
ヘアアイロンを使う時のポイント
ヘアアイロンを使うときは以下の点に注意してください。
1. 髪を乾かしてからを使う
2. できるだけ低温で使う
3. 髪が冷めるまで保持する
髪を乾かしてから使う
髪がぬれた状態でヘアアイロンを当てると、余分な水分が一気に蒸発し、水蒸気が大量に発生します。
水蒸気になると体積は約1700倍になるので、体積の急拡大により周りのキューティクルやコルテックスを傷め、髪ダメージの原因となります。
また、水蒸気によるやけどのおそれがあります。
ヘアアイロンを使用する前には髪を乾かすようにしてください。
尚、ヘアアイロン使用後にも髪に余分な水分が残っていると、水素結合が切れ、セットが落ちやすくなりますので、その意味でも髪を乾かしてから使用することをお勧めします。
できるだけ低温で使う
髪の主成分のタンパク質は熱により変質します。
そして一度変質したタンパク質は元には戻りません。
ヘアアイロンは高熱を与えるため、どうしても髪のタンパク質を変質させ、ダメージを与えてしまいます。
ダメージを少しでも抑えるために、できるだけ低い温度で使うようにしましょう。
適正温度は個々人の髪質や傷み具合によります。
100℃程度から使い、セットできないようであれば少しずつ温度を上げていき、ご自身の髪質に合った温度を見つけてください。
髪が冷めるまで保持する
髪は熱を加えた後、冷めることでクセ付けできます。
ヘアアイロンでセットした後は、髪が冷めるまで保持することでセットがキープされやすくなります。
逆に、きつくクセ付けしすぎた場合は冷める前にほぐすことでクセ付けを緩くすることができます。
梅雨の時期だからこそヘアアイロンでセットを楽しんで
関東地方でも先日梅雨入りしました。
梅雨の時期は雨が多く湿度も高いため、何もしないと髪のクセやうねりが出やすくなります。
ヘアアイロンのセットも落ちやすい時期でもありますが、ヘアワックスやヘアオイルといった整髪料の油分で髪をコートすることで、水素結合を保護し、キープしやすくなります。
上に挙げたポイントを意識して、雨のシーズンもぜひヘアアイロンでセットを楽しんでください。
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